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雑誌「装苑 」 あゆかわようこ連載コラム
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インターネットが好いとうけん
99年1月号より連載中!!

第一回
(99.1月号)
我が家のインターネット戦争
第二回
(99.2月号)

COOLでHOTなMP3


  COOLでHOTなMP3

「ぶぉーーんとうう゛ぃーーわーーーい」、とある昼下がりの渋谷行きのバスの中にいきな り鳴り響くSTEPPENWOLF。発信源は私の膝の上のPowerBook。音源は昨晩作ったMP3!
 まずここでMP3とはなにかを説明すると、新しい音楽データの形式で、CDなどから取り込んだの音源を高音質を保ったまま1/11に圧縮してしまうという優れもの。容量が少ないからインターネットでやりとりもできるために大人気なのだ。
 MP3の出現当時、インターネットでの話題はMP3で持ちきりだった。どこへいってもMP3。私はそれが一体何なのか調べようとしたけれど、MP3について書かれた日本のページが無かったので、英語圏のサイトを見て回ったりChatで質問したりと、自力で情報を得たものだ。なんだか分かったような分からないようなままに四苦八苦するうちに、MP3ファイルを自分でも作成することが出来きるようになった。だから、初めて作ったときは言い知れない喜びがあった。でも、驚くべきはその圧縮効率だった。なんと、曲一曲50MBが5MB!早速、私は自慢したくなって父に「MP3っち知っとる?」と言った。すると当時は父はMIDIやREAL AUDIOに夢中だったので「知らん。べつにどうでもよか。」といわれた。「なんか圧縮率が凄いんよ、いっちゃん新しいやつらしいよ。」と説明しても残念なことに全く聞く耳をもたなかった。それなのに、しばらくして父は独自にMP3に夢中になり、すぐにSHEENA&ROKKETS;のアルバムを、なんと、レコードごとに全曲(229曲)をMP3化してしまうし、韓国のMPMANというポータブルプレーヤまで取り寄せて、私よりMP3に詳しくなってしまった。私はしゃくだった。MP3はお父さんのものになってしまっていた。だから、次第につまらなくなってしまって、MP3から遠ざかっていったのだった。
 最近ひさびさにMP3のサイトを探してみて驚いたのは、個人のMP3ダウンロードサイトがほとんど無くなってしまったことだ。音楽業界がMP3による違法コピーの横行という著作権の侵害に対して本腰を入れ始めたようだ。あるMP3ポータブルプレーヤの会社は全米レコード協会に訴えられた。
 かく云う私も堂々とMP3のダウンロードをしていた。しかし2.88kbのモデムでは一曲に1時間は平気でかかってしまうので、なかなか簡単にというわけにはいかない。だから、とりわけ気になっている曲でなければダウンロードする気にはとてもならない。また、時間を掛けて手に入れた曲が気に入らなければうんざりする。逆に気に入った曲があったときはそのアーチストのCDを買いに行った。違法コピーだのデジタル著作権侵害だのといっても、気に入った曲があればCDを手に入れたいと思うし、MP3を配布している違法サイトだって見方を変えればアーチストのプロモーションをしてくれているのだ。そもそも、アルバムまるごとダウンロードするひとなんておらんやろ。そんだけ好きやったら買うやろ。
 さて、MP3のプレーヤの中でも、WinAmpやMacAmpではプレーヤの外観をskinとよび交換が可能だ。インターネットにはskinのライブラリサイトがあり、世界中から毎日新しい自作のskinがアップロードされていて、フリーでダウンロードすることが出来る。あまりに下手くそで笑えるやつからプロのような出来の物までバリエーションに富んでいてそれらを見ているだけでも楽しめる。お気に入りのskinを貼り付けたプレーヤで好きな音楽を聴く。それがMP3の醍醐味であります。
 みんな、今は、MP3がCoolでHotばい。


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Kopyright (K)1999
Yoko Ayukawa
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